便利で不便なシンカンセン
と、ここまでしなの鉄道に乗って長野までやってきましたが。ちょいと思う事があるので自由帳的な感覚で書き殴っていきたいと思います。
その前に、前回までのあらすじ。
整備新幹線の開業に伴い並行在来線が経営移管し第三セクターになった会社は現在、日本には7つあります。思い当たる順に、、、、
- 青い森鉄道
- IGRいわて銀河鉄道
- しなの鉄道
- えちごときめき鉄道
- あいの風とやま鉄道
- IRいしかわ鉄道
- 肥薩おれんじ鉄道
と多いのか少ないのか分からない数が存在します。将来的に新幹線が札幌まで延伸した日にゃそこの区間も第三セクター化されるんじゃないかって言われてます。
なんでこんな事するのかというと、経営分離せずに財政が火の車になった国鉄の二の舞を避ける為なんですって。ちなみに、開業後も収益が見込める都市圏等の路線は引き続きJRが管理運営するんですね。
並行する所は全部経営移管して収益確保の機会を設けてやれ!なんてアタマの悪そうな事は言いません。(移管した方が駅員さんの接客態度はよくなりそうと思うのは公然の秘密)むしろヒトの移動な活発な地域はJRさんじゃあないとダメなんです(尊敬の眼差し)なんといっても電車を動かす事に関してはプロの集団です。運行、保守、保安等々、のノウハウを全部ぶっ込まないと都市圏の人々のアシとはなりえない訳です。それができるのはJRさんだけなんです。
口の悪い言い方をしてしまえば、ヒトの移動が大して活発ではない田舎路線はヒトは少ねえから事故は大して起こらねえだろうし、お前らに経営移管してもまあ大丈夫だな。っていう考え方(側面)もあるんですね。
新幹線通してやるから、真っ赤っ赤な田舎路線はお前ら管理しろよ。ってなJRの考え方はハッキリいってアレです。だって新幹線の建設費も出して第三セクターの出資者にもなっている(ならざるを得ない)沿線自治体は誰がどう見てもこれから路線が廃線にならない限りずーーっと損することが確定しています。都合のよい条件ばかりだしまんまと逃走に成功した強盗みたいですな。沿線にとっては駅でもない限り全くオイシクない話で結局得をするのは終着駅の自治体なんすよねえ。
そうそう。新幹線ってなんかちょっとの移動でも割高じゃないっすか。わたしは九州で育ち九州新幹線の全線開業をこの目で見てきました。開業に伴う第三セクターへの経営移管はなかったものの都市間連絡特急は早朝と夜以外は廃止。用事で福岡ー熊本間の在来線特急を利用していた者としては内心「不便になるなあ」と思ったのを覚えています。
じゃあバスか普通電車乗り継げばよくね?なんて思うかもしれませんが、前者は道路事情に左右され時間が読みにくい。後者は在来線特急の2倍以上時間がかかる。一方は運賃が1.6倍位高くなり一方は時間がかかるように。時間を節約できる有能すぎるツールではあるが使いにくいツールでもある。両極端な側面を持ち合わせているのが新幹線なんです。
新幹線の駅が出来て生かされる街。取り残され殺される街。車両をJRから譲渡してもらえた会社、そうでない会社。10年?早くて数年後には沿線自治体のいくつかが、某試される大地のメロンの名産地の自治体みたいに財政がアカンやつになる可能性プンプンなんっすよ。便利になった反面、爆弾を抱えた自治体を生んだ整備新幹線は現代版キングボンビーですな。
なんて長野駅のみどりの窓口のキップの販売待ちのクソ長い行列に並んでる最中に考えました。 さてお弁当でも買おうかしらね。